タイトルは少し大げさでしょうか?
しかし、とても深刻な状況の工事でした。
和室の鴨居が下がっているので直してほしい、というご依頼で
調査にうかがうと・・・え!??
鴨居が下がるのには当然理由があるわけでして
天井裏を覗くと、正直びっくり!言葉を失いました。
びっくりをとっくに通り越して、ゾッとしたと言っても過言ではありません。
2階の屋根、壁、床、そして家具などの荷重をすべて受けている梁が
写真のように割れてずり下がっているのです。
もしもこのまま・・・
そうなる前にしっかりと補強工事をしました。
まずは下がった梁を所定の高さまで揚げるのですが
一気に上げると無理がかかり破壊させてしまうので
じっくり、ゆっくりと揚げていきます。
この辺は40年の鉱害復旧工事の実績がありますので
得意中の得意分野です。
そのあとで、まずは梁受け金物とボルトナットで補強
ところがご覧の通り、全荷重を受ける桁が意味のない状態
普段は横使いの帯金物で上下の梁を補強しました。
さらに、この梁自体が細すぎるので、横から同サイズの梁を抱かせ
ボルトでつなぎ、金物で桁と固定します。
そして、やっと鴨居の高さを調整します。
建具の角度が妙なのがわかりますか?
垂れ下がった鴨居に合うように造られていたこのふすま
鴨居と敷居をまっすぐ通せば、こんな風に。
今、新しく作り直しています。
よくよく聞けば、この家、とある建売住宅だったものを
中古物件として購入されたとか。
以前、別のご相談で雨漏れの調査に伺ったお宅も
階段の補強工事に伺ったお宅も中古物件をご購入されたとか。
購入前は当然業者さんがリフォームされていて
ぱっと見はとてもきれい。
はい、ぱっと見は。
ですが、ほんの数年でこのような工事が必要になるわけです!
見えない部分に瑕疵があった場合は。
かわいそうですが、どうしようもありません。
そうならないように、しっかりと事前調査をしていただきたいと思います。
平行か?垂直か?
これだけでもずいぶん違いますし、ご希望であればご相談を受け付けています。
1級建築士で1級建築施工管理技師で、なおかつ
たくさんの耐震補強工事をしてきた私がご相談に乗ります。
詳しくはお問い合わせください。Tel:093-617-0800